「フタがガラスのご飯釜」レビュー
(執筆:K氏)
四季を持ち、海と山の恵みもある日本。食文化において、日本に生まれて本当に幸せだなと強く思います。
年を重ねるにつれ、身の回りの物や口にするもの、より自然に近いものを求めるようになって来ました。
何よりもメイドインジャパン、国産のものを意識するようになっている自分。
思い描くのは、遠い昔に祖父母の家で見た土間に設置された大きな竈で炊いたご飯。
そんなイメージでぼんやり探していたところ、HARIOのご飯釜に巡り合いました。
渋さとどこか懐かしさを感じさせる色味とフォルム。
HARIO自慢のガラスで出来た蓋は中も見えて、なんと蓋の取っ手にはホイッスルまで付いています。
…という事は、うっかりな私に炊きあがりを教えてくれるのね。 親切なご飯釜さまさまです。
迷わず大きい方を購入。大は小を兼ねると言いますから。
米も水も野性の勘とその日の気分での目分量。(真似はしないで下さい)
ドキドキしながら火加減を鍋底の範囲内で設定。
いざ、炊飯スタート!
それからは何をしていても構いません。ただしホイッスルが聞こえる範囲にいて下さい。
しばらくして沸き上がって来ると、優しい声でご飯釜が呼んでくれます。
最初は優しいですが、放っておくと騒ぎ出します。まるで子供のよう。
多めに炊いていると、駄々っ子のごとくその穴から湯気を吹き散らしてくるので、くれぐれもご用心。
もし湯気が暴れるなら火を止めて、そうじゃないなら弱火にして、様子見です。
「はじめちょろちょろ中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな」
今はそうしなくても良いと言われてはいますが、忠実に守ります。蓋は開けません。
でも覗きたいですよね、人の心理。開けられないなら覗かせて下さい!
HARIOのご飯釜はそれを叶えてくれます。
蓋がガラスなので、中の状態が蒸気の中でほんのり見えて来ます。
それを見守りながら、火を止めたら焦(蒸)らし時間。
漂う香りにお腹がぐーぐーと反応してきたら、いよいよ解禁です。
蓋を開けた瞬間広がる湯気と食欲をそそるご飯の香り、萬古焼の黒の中で輝くお米の白さのコントラストも美しい。
さっくりとかき混ぜて(驚いた事にこびりつきにくい!)、蓋をして、あと少し焦(蒸)らし時間。
その間に食卓の最終準備をします。最後によそったご飯でいざ!「いただきます」
お食事タイムのスタート。
今日の出来上がりはどうだろう。 固め、柔らかめ、上手に出来たかな。
炊き立てのあったかいご飯をふんわりたっぷり頬張ると、優しい甘さが口いっぱいに広がります。
うーん、幸せ。 美味しい食事は人の心まで豊かにしてくれます。
多めに作った日はラップに包めて冷凍保存をし、後日時間が無い時、手軽に解凍!
ご飯が少し残ったなら、そのまま雑炊モードにしちゃいましょう。その後の片付けも楽になります。
煮込み鍋としても活用出来そう。
重めの釜、ガラスの蓋なので、取り扱いは少し慎重に。 物を大事にする気持ちも自然と生まれます。
”一緒に時を重ねていこう”、そう思える愛おしいご飯釜を手に入れました。
(ご注意:上記流れはあくまでも一個人の方法ですので、責任は負いかねます。)